テイスティングルーム、酒器やこだわり食品のコーナーを設けて「酒のある和やかな食卓」をご提案しています。

1997年、酒蔵の一角に蔵元ショップ「Cella MASUMI」を開きました。
樹齢300年の老松を臨むテイスティングルーム、
酒器やこだわり食品のコーナーを設けて「酒のある和やかな食卓」をご提案しています。

■開店のきっかけはある新聞記事

「ドイツでワインが売れない。暮しのリズムが慌しくなり、ワインを愛でながら家族や友人と食卓を囲む習慣が薄れたのがその原因。社会学者たちは、このことがやがて家庭崩壊や犯罪の激増につながると懸念している。」
1995年頃だったでしょうか、ある朝こんな新聞記事を目にしました。
わが国でもちょうどこの頃から物質的な繁栄の陰で前代未聞の凶悪犯罪や社会の腐敗を実感させるような現象が起こり始めていました。
何が日本をこんなにしたんだろうと心を痛めていた私に、この新聞記事は「食卓の崩壊」が原因の一つであり、であれば小さな田舎酒屋にも"世直し"のお手伝いができるかもしれないと気づかせてくれたのです。
以後私は、ことあるごとに「和やかな食卓」の大切さを文章にしたり喋ったりするようになりました。



具体的には・・・・

日々の食卓が和やかである事は、一個人、一家族、ひいては社会全体が幸せになるための絶対条件であることを認識しよう!

質素でも作り手の真心がこもったお料理。
慈しめば世代を超えて生きる器。
家族や友人との語らいを大切にして、身体と共に心へも栄養を注ぎ込もう!

努めて週に二回は家族や友人と二時間の夕食を食べよう。
テレビはスイッチオフ。
そして夕食時間延長薬として、真っ当なお酒(日本酒でも焼酎でもビールでもワインでも何でも可)をテーブルに置こう!

しかしやがて言葉や文章ではなく、もっと目に見える形でお客様に主張をお伝えしたいと思うようになった私たちは、かつて営業事務所と社長室であったスペースを蔵元ショップに改装することにしたのです。
ショップの構想を練っている頃、たまたまヨーロッパやアメリカの様々なワイナリーを見学する機会に恵まれました。
ボルドー、ブルゴーニュ、ラインガウ、ナパ。有名シャトーの豪壮な酒蔵や洗練されたショップに圧倒される一方で、私を本当に感動させたのは家族経営のワイナリーの温かなホスピタリティーでした。
ぶどう畑に面した試飲室で、オーナーの奥さんや娘さんから「夫や父親のワイン造り」「我家の家庭料理」の自慢話を聞きながら味わうワインの美味しかったこと。

目指すべきショップの姿が見えた瞬間でした。
こうして誕生したセラ真澄。
不器用な私たちが暗中模索・七転八倒しながらどうにか15年目を迎えることができました。
この間、多くのお客様との素晴らしい出会いがあり、それは真澄蔵元のかけがえのない財産となっています。
これからも私たちは、
日本酒の素晴らしさと「和やかな食卓」の大切さを多くの方々にご理解いただく場として、
この蔵元ショップに心血を注ぎ込んで行きたいと思っています。

(文/宮坂直孝)